
日本人は明白に働きすぎだ。
働きすぎの象徴「karoshi」という単語がグローバルになるほど、世界共通の認識である。
毎朝出勤するサラリーマンの顔は死んでいて、帰りはもっと死んでいる。
その生活から逃げ出したいと思っていても、
逃げ出すエネルギーさえ残されていないほどに消耗する日々である。
日本が経済的に優れていないわけでもないのに、一向に幸福度ランキングで上位を獲得できないのは、こういうところからだろう。
さて、とはいえ、文句ばかりたれてもしょうがない。
一説によると、海外も日本も働く時間自体はそれほど変わりはないらしい。
では、一体何が海外と違うのか。
何が海外をキラキラさせ、何が日本を死なせているのか。
そして、どうすればもっと仕事にポジティブに取り組めるのだろう。
各国と比較して追求していこうと思う。
そもそも日本人は働きすぎなのか?
「日本人 働きすぎ」と検索するとたくさんの検索結果が出てくる
我々日本人は皆働きすぎだという自覚があるようだ。
では、実際日本人は働きすぎなのか?
比較するために、労働時間についての研究結果を見ていこう
このグラフを見て見ると、確かに欧米に比べて働きすぎなことが理解できる。
厚生労働省の令和2年版 過労死等防止対策白書(第1章1)によると、週労働時間が49時間以上の日本人労働者の割合は18.3%(男性26.3%、女性8.3%)でした。
ただ、一方でこんな結果も出ている。
https://news.livedoor.com/article/detail/8340611/
案外、実際の労働量としては、そんなに変わりはないのかもしれない。
ということは「心理上」働きすぎな感じがするだけ、という可能性も出てきたぞ。
働きすぎと感じる原因 ①
日本人の性質
第一に、日本人の性質が関係してくる。
そもそも、日本人は遺伝的にセロトニンが少ない。
セロトニンというのは安心をつかさどるホルモンなので、これが少ないということは
常に不安だということだ。
さらに、学校教育も大いに関係する。
欧米とは違い、受け身の教育で育てた名残はもちろん大人にもつながっていく。
繊細で感受性が強く、基本的に受け身。
それはすなわち、世界の中でも、特に女性性が高い国民性であるといえる。
↓女性性とは?
女性性が強いとどうなるか。
例えば、
・責任を嫌がる。
・何よりも周囲との協調を第一にする。
社会に対する責任感の欠如は、日本の個人寄付の少なさや、企業のフィランソロピー意識の低さからも明らかでしょう。まさに「過労死」は、会社側の社会的責任に対する意識が欠如している証左です。
大部分の日本人は、自分を取り巻く社会に問題があることは知っていても、「誰かが解決してくれるはず」「わたしは今の生活で精一杯だから」という言い訳のもと、行動しないのです。
変革を起こさない免罪符として、典型的日本人は、盲目的な「勤勉」にのめり込みます。日本人は「勤勉」を絶対の美徳にすることで、自分を許し、周囲に許し乞います。「真面目に働いているから」、社会に対してコミットしないでよいと考えているわけですね。
そうした情けない態度の背後にあるのは、「出る杭になることへの恐れ」だとぼくは確信しています。結局みんな、嫌われて、村八分になることが怖いのです。だから表面的であろうとも、「勤勉」に働く。
(出典元:https://blogos.com/article/59446/)
日本人は世界から「勤勉」と言われているが、これはまさに女性性が高いがゆえのものだろう。
「責任を取りたくない」「村八分にされたくない」
これらの思いが織りなす結果が「働きたくない」であり、
心と反したことをし続けるから「たくさんやっている」ように感じるのではないだろうか。
嫌なことをしていると時が長く感じ、好きなことをしていると短く感じるあれだ。
逆に言えば、欧米では男性性が強く責任をすき好むがゆえに
労働が楽しく、結果働いていないように心理的に感じるのだろう。
また、この性質の違いは
日本人はクオリティの高い製品づくりが得意な割に
欧米のビジネスのように「改革」「破壊と創造」のような
男性性の要素の強いものがなかなか生まれないのも、大いに関係あるだろう。
「働きすぎ」と感じる原因その ②
人間関係の複雑さ
前項「日本人の性質」と被ってくるが、
「働きすぎ」と感じる原因になくてはならないのが、「複雑な人間関係」だ。
というのも、「仕事辞めたい理由ランキング」の類の物を見てみると、
どのランキングでも大体「人間関係」が1位に入っているのだ。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000025.000041309.html
そして、「働きすぎ」な環境をつくっている原因1位も「人間関係」だ。
いや、人間関係なんてかわいい呼び名ではない。あれはもはや宗教である。
遺伝からしてセロトニンが少なく常に不安を抱えがちなのに加え、
徹底した受け身教育により極端に村八分を恐れる我々は、
「人間関係教」へ無理やり入信させられているといっても過言ではない。
そしてその「人間関係教」への無理やりの入信が、働きすぎの大きな原因をつくっている。
そもそも、日本人はなにかと「みんなと一緒」をやりすぎだ。
「みんな残業してるから」残業するし
「みんな出社してるから」リモートにならないし
「みんな仕事を辞めないから」仕事をやめれない
「みんなが○○だから」をかたくなにやろうとする風潮が
根本的にすべての「おかしい」を作り上げている。
「働きすぎ」と感じる原因 ③
待遇の悪さ
ボーナスが低かったり、
残業が多かったり、
上司からの叱責が多かったり。
「待遇が悪い」と感じる日本人は多くいることだろう。
とは言えど、実は欧米の労働者と給料や労働時間の自体はそれほど変わらないらしい。
ただ一つ変わっているものがある。それは、個人の意思の有無だ。
そして、この「個人の意思」が受け入れられないがゆえに
「待遇が悪い」と錯覚してしまうのではないだろうか。
待遇の悪さと「自己選択感」の関係
日本の企業では、多くの場合労働者に選択権がない。
新卒の一括入社だって、部署を面接時から選択できる企業は本当に少ない。
これは欧米ではありえない。問題も問題、大問題である。
何が問題って、自分で自分の人生を握れないことが最も問題なのだ。
自分で好きな仕事を選べれば、給与が低くても頑張ろうという気持ちになる。
自分で上司を選ばせてもらえれば、多少怒られても反省する気になるだろう。
自分で勤務方法を選ばせてもらえれば、効率よく仕事をすることがゲーム感覚で楽しくなってくるかもしれない。
それをやらせてもらえないから、自分で何とかできずに環境への不満を言うしかないから、
不満が爆発している。
「働きすぎ」と感じる原因 ④
サービスが過剰
私はよく海外へ旅行しに行くが、そこで毎回思うのが
「日本ってスーパーサービスの良い国だな」ということ。
例えば、コンビニのレジも当たり前のように立って接客する。
CAさんも必ず笑顔で話しかけてくれる
海外にいると、これがいかに「当たり前」じゃないかを痛感する。
「受ける側」が気持ちいということは、「提供する側」がとても労力を使っているということだ。
要するに、働いている時間が同じだとしても、そこにかける労力が段違いで重いということだ。
仕事の本質とは離れた部分のエネルギーで消費し続けているから、
「目に見えている以上に」働きすぎている、ということになる。
どうしたらいい?
さて、「日本人は働きすぎ」の真実について各国と比較し、
原因について考察をしてきた。
まずは、「人間関係教」に無理やり入信させられているということを自覚すること。
そして、自分の意志で選択する機会を積み重ねていくことだ。
受け身ではなく、選択の自覚を持つ。
村八分にされることを恐れるよりも、全ての作業に自分なりに意味をつける。
日本人の性質的に、自分で選択することは難しいことだろう。
だからこの奇妙な現象に誰も何も言わず、結果自分たちの働きづらさを助長している。
まずは、あなたが、明日から働き方を変えること。
その姿だんたんと、他の人へ伝染していき、
この奇妙な労働環境が改善されますように。