
人がその人自身の世界をどう認識し、物事の決定をしていくのかという点について心理的な選好を表すことを目的としたMBTI(Myers–Briggs Type Indicator)。
精神科医で心理学者であったカール・グスタフ・ユングの理論をベースに、米国で1962年にマイヤーズとブリッグスによって開発された自己理解メソッドで、欧米では普通にキャリア選択やリーダーシップ育成に使われています。
MBTIでは4つの性質の方向×4つの性質の種類=16の性質を4つの頭文字で表すことですべての人間を簡易的に分類することができます。
この分類をすることで、もともとその人が持っている素質を十分に活かしながら仕事やパートナーを選ぶことができるようになるのですが、慣れてくると自分だけじゃなく他人の性質をも瞬時に見分けることができてきます。
それによってその人と自分が融合することによってどのような化学反応が起こるのか、あらかじめ予測できるようになります。
楽しそうですよね。
では、実際にどうやって見分ければいいのでしょうか?
頭文字の特徴から見分け方をまとめたので、以下ご覧ください。
E=Extraverted→外向き I=Introverted→内向き
関心の方向。よく言われるのがE=外向型、I=内向型。
E→人と会って充電
I→殻にこもって充電
これですべて説明つくでしょう。
MBTIの発達した欧米に比べ、日本人(アジア全般に言える?)はIが多くをしめます。なのでおそらく半々にはならないです。
E型は人と会ってる方が脳を使わずに(=疲れずに)済みます。
「せっかくの休みだから外出したい」「友達と会った後はハッピー!でも寂しい…。」なかんじです。
「暇疲れ」が多いのも特徴です。内向型は暇であれば各々やりたいことが見つかるので内心喜ぶはずです。
反対に
I型は一人きりでいる方が脳を使わずに(=疲れずに)済みます。
「せっかくの休みだから家にいたい」「友達と会った後はぐったり…。」なかんじです。
ちなみに「社交的だけど内向型」や「友達いないけど外向型」も十分あり得ます。内向型で深く考えるがゆえに「社交的であろう」と努力したり、外向型で周囲に影響されやすいことを自覚するがゆえに「一人でいよう」と(無自覚に)人を突き放したりもします。
また、外向型であれば(客観性を気にするため)後述する要素が客観的に見て薄まり、内向型であれば(自分の信条を軸にし、以下の要素を隠す必要がないため)客観的に見てわかりやすくなる傾向があります。
※ただし他の頭文字の組み合わせによってはむしろ要素が「外に出やすく、わかりやすい」「内にこもりやすく、わかりづらい」場合もあります。
※本来は頭文字だけでなく、組み合わせによって要素の意味がガラッと変わったりするのがMBTIのだいご味なのですが、それは難しいからまた今度。
S=Sensing→感覚 N=Intuitive→直観
認知の仕方です。
N=理想主義。抽象的なこと考えがちでふわふわ独自の価値観。
S=現実主義。具体が命で地に足のついた常識人。
N型は、「間違えるリスクがありながら大局的な視点で物事を見る」イメージ。
「まとめると?つまり?」が口癖です。
視野が広く、可能性を様々残し選択の余地有り余って結局何もできず、行動できなくなりがちです。
未来を考えることに興味を示すため、たとえ「事実」でなくとも可能性を見いだせるもの、哲学、芸術やスピリチュアルに興味を示します。
「そもそも事実とは?」みたいな仮説を立てることも好きです。
スマホ一台渡せば暇知らずなのはこのタイプですね。
N型の人はS型の人に「そんな未来のこと考えてどうすんの?」と言われがちです。
でもN型にとって「今」に留まるのは、それこそ未来に適応できなくなるかも、なんて恐怖が付きまとってしまうのです。
反対にS型は「大きな成功も失敗もせず、周囲に合わせた常識をもって安定に堅実に」なイメージ。
「具体的には?もっと詳しく!」が口癖です。
古くからの慣習・常識を守ることができるタイプで、社会に順応しやすいタイプといえます。
あと、MBTIとかの根拠がなく具体的に役に立たない診断にあまり興味を持ちません。
人間が積み重ねてきた「事実の」経験を大事にして物事を考えるので、歴史や法律に興味を持つ場合が多いです。
幸福も不幸も事実からしか湧き上がらないため、(最悪現実で何も起こらなくとも想像で完結してしまう)N型に比べて情が厚く、人の裏表を想像することもしないため、コツコツ信頼を重ねていくタイプです。
Nタイプからすると「何が面白いの?」なんて思ってしまうような内輪ネタも、Sタイプにとってはその場への参加資格として安心の材料なのです。
ちなみに性質を持つ人の割合は、S:N=7.5:2.5の割合なので、圧倒的にSが多いです。
N=リーダーor社会不適合者みたいなところがあり、
S=あくまでも組織の中で保守的か攻撃的か、ってかんじです。
S型は間違えてもせいぜい過激な守銭奴になるぐらいですが、N型は一歩間違えると社会不適合者になるとこがなかなか辛いところです。
T=Thinking→思考 F=Feeling→感情
判断の仕方です。諸説ありますが、
T型=「一番大事なのは客観性」
F型=「一番大事なのは自他の主観性」
の価値観を持っています。
例えばT型は、何か買い物をする時に「誰もが納得しうるような説得力のある理由付け」を自分の中で行いながら買います。
対してF型は特に理由付けをしません。「なんかいいと思ったから」買います。もしくはよくわからない主観的な独自の理由をつけがちです。
質問をした時に、「説得力をもたせて」返してくれたり、周囲の輪が乱れるのを厭わず正しさを優先するような傾向が見られれば、Tだと思ってもらっていいです。(Fはその逆)
まあぶっちゃけこの項目に関しては一番初めに述べた通り、「嗜好の問題」ですから、日によったり環境によったりするところはあると思います。
あとこれは持論ですが、人はもともとみなFだったんじゃないかなあ、と思います。少なからず主観性がないと「論理的に物事を考えたい!」という願望も持たないはずですしね。
Fプラス理性でT、のイメージです。
Tの人は、大人になるにつれ努力してTになってる場合がほとんどだと思います。周りを見ていると。
また、努力してTになれる人であっても、周りの環境が圧倒的で自分の力が及ばないことを悟り、あえてFの役割を担い協調に回ろうと判断する場合も多そうです。
J=Judging→判断 P=Perceiving→認知
物事への接し方です。
J=計画を立てることで安心する。結果重視。
P=あえて無計画、可能性で満たすことで安心する。プロセス重視。
「夏休みの宿題、いつやった?」の問いかけで、「最初に終わらせた」あるいは「毎日コツコツやった」がJ、「最後に一気に終わらせた」がPである可能性が高いです。
J型は可能性を残すことよりも確実に結果を出すことが大事なので、目標を達成できていないと気になって遊べないのです。
ややせっかちで盲目的なところがありますが、なるべく瞬時に目標を判断し、それを達成すること自体が一番の楽しみなので。そこまでの努力は苦ではなく、むしろ目標が定まらないこと、達成できないことを何よりも嫌いますし、他人にもそうであってほしいと願います。
コツコツ達成していく姿が評価されやすい反面完璧主義で臨機応変な対応に弱いところがあります。
J型はP型に比べると、真面目でしっかりした印象を人に与えますし、実際にP型のお世話係になることが多いです。
そんなP型は最後まで「よりよくなるような」可能性を残しておきたいので、最初にやることが逆に不安なのです。あとになって「こうしてればよかった…」と後悔したくないイメージです。
せっかく生まれた目標もそれ自体を変えることもあり、行動がなかなかに支離滅裂になります。
生き方の軸が定まらなかったりツメが甘い反面、ピンチに強かったり融通がきいたりするという特徴があります。
いかがでしたか?
今回は「見分け方」ということで簡単に見分けられちゃう質問・解答例紹介しましたが、一概には言えないのでご注意を。
IMBTは、完全に百パーセントこの性質!というのはなく、グラデーション型です。人によっては、「TとF、ちょうど50パーずつだった!」という人もいるでしょう。
MBTIの公式の最終目標は、自分になんの要素があるのかを把握した上でない要素を補い、すべての要素をうまく使えるようになることです。
「自分は〇〇タイプだから…」と生き方を定めず、16個の性質すべての要素を集めることでよりたくさんの選択肢が広がっていきます。
あくまでもツールなので、各々の人生が豊かになるよう、工夫して使用してみてくださいね!
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